かすみ草の恋
放課後……
私は今井と校内の駐車場に来ていた。
1年の時にバイクの免許を取ったらしく
バイクで通学してるようだ。
「ちょっと待って。
たまに野郎と二ケツして帰るから
メットは2つある。
乗れよ」
と言いながら私にもヘルメットを貸してくれた。
いちいちセクシーで
色気のある男だこと。
こんな男にミカを近づけたくないな
と思いながらヘルメットを受け取った
「んっとに!お前の弟はなんなんだよ
あんな強敵が橘の周辺に
潜んでたのかよ…
でもまぁ、障害があったほうが燃えるってもんだ!」
と言って二カッと笑って
バイクに跨った今井。
えー!
燃えちゃうの?
諦めてよ!!
「ねぇ、今井。
私があんたを好きって
言ったらどうする??」
グラついてミカから
離れて。
「ああ? 何寝ぼけた事言ってんだよ?
そんな冗談間に受けるわけないだろ!
お前はどちらかというと、俺よりも橘の方に執着してるように見えるけど?」
ギクッ
「まぁ、そうなんだけど…
最近色んな呼び出しに疲れちゃってさ!
あんたといれば
そういうの減ると思って。
ちょっと言ってみただけよ!」
私は前に思ってた事を口に出してごまかした。
「そっかぁ。
まぁ、俺に好きな奴がいなければ乗ったかもしれねぇな。
俺も女からの呼び出しはいいかげんめんどいしな。
それよりも俺はてっきり、私のミカを取らないでよ!とか言われちゃうかと思ったぜ(笑)」
ギクッ!!
でもそう思うなら……
ミカの心に入っていかないで。
「んったく!何を言ってんだか!
でも、ミカは大切だから。
そう簡単にはあげないわよ。
大好きな親友ですから!!」
と親友を強調して言いながら
今井の体に手をかけて
バイクに跨った。
「ふははは(笑)
山田も橘も本当にお互い大切なんだな。
はいはい、わかりました!
大親友の山田さんに認めて貰えるように頑張ります」
と言って今井はバイクのエンジンをかけた。
途中、私と今井がバイクに乗ってるのを見た学校の生徒たちはキャーキャー騒いでいた。
お似合い〜
美男美女がバイクで二ケツしてんのは
絵になるな!
えっ!あの2人やっぱ付き合ってんの?
そんな外野の声を耳にしながらも
私は今井の言った言葉が頭の中でいっぱいだった。
認めたい…
でも苦しい。
ごめん、今井。
私はミカが好きなの。
でもこの想いは叶わない。
最終的にミカが誰を好きになるかはわからないけど、心からあんたの応援は出来ないよ。
ここで、私と今井が噂になってしまえばいい。
そしたらミカは今井の事は恋愛対象から外すだろう。
私はごめんなさいと思いながら
唇を噛み締めて
今井の大きな背中しがみついた…