かすみ草の恋
階段の所まで行くと足を止めたミカ。


「いいよ。ミカ!
教室まで行くよ!!」


と言って進もうとしたら


「いいから、ここで」


と言って俺の手を優しく掴んでニッコリ笑った。


「それに、レイジを教室まで連れて行くとクラスの女の子達がレイジを見るじゃない? 大切な幼馴染が目の保養にされるなんて、ちょっとお姉ちゃん妬いちゃう…(笑)」


とクスクス笑いながら俺の手を離して
手を振って


「あっ!忘れてた!
放課後、紅茶買いに行くのよね。
いつものあのお店でいいよね??
放課後
玄関の所で待ち合わせしよう?」


と言ったので


「迎えに行くー!!
行くったら行くー!!」


とちょっと子供みたいにふざけて駄々こねたら


「ふははははっ(笑)
わかった!!
んじゃぁまってるね。
王子様。」


と言って階段を下りて行ったミカ。


かわいいなぁー


王子様か、お前の王子様になりてぇよ。


もうそろそろ俺も男だって所見せてくかんな!



「ふぅ」


と軽くため息をつきながら階段の方に目をやり教室に戻ると


トシヤがまた絡みついてきた


「ミカちゃんって言うんだ〜!
かわいいなぁ〜‼︎
お前のスーパー姉ちゃんもスゲーけど
俺はミカ先輩派だな!うん。
すんげえ美人だなぁ〜‼︎
なんで今まで気がつかなかったん
だろーな〜‼︎」



うっせぇな!



「ミカは俺のだ。ダメだ」



「えーー!
そりゃねぇぜ。
今恋に落ちた所なのに」



「ダメだ」



「なんでだよ!
幼馴染って言ってたじゃん!!
いいもんね!俺は俺で近づく。」



「姉貴に返り討ちにされるよ」


「えっ?
お前ら姉弟
ミカ先輩フェチなのか?」



「ああ
そうかもな…
俺も姉貴もミカの虜だ」


「ふーーん。
でも可能性は0じゃねぇ!
俺は俺でミカ先輩と仲良くなるゼ!
久しぶりに胸がザワザワしてきた!
これから学校が楽しくなるぞー!」


と言って自分の机に戻って行ったトシヤ



んっとにトシヤめっ!


ただでさえ、強力ライバルの今井が
いるっつうのに余計なんだよ!
黙ってればトシヤもそこそこ
イイ男だからなっ!


はぁ〜


俺がミカを1番に見つけたんだ!


誰にもやらねぇ!!




< 32 / 73 >

この作品をシェア

pagetop