かすみ草の恋
それから今日あった事と
これからの事をレイジに話した。


「んで、なんでミカがアメリカ行っちゃうんだよ?!
俺はどうなるんだよ!!」


えっ?


レイジ??



「なにが??」



「ミカ、俺の事好きなんだろ?」


わぁ〜!!


さっき聞かれてたんだった!!


でも、私の気持ちはどうでもいいの。


レイジは幸せになって…


「私の事はいいの!
それよりも!レイジはちゃんと幸せになってよね!
何年かして帰ってきて、幸せじゃなかったから許さないから」



精一杯強がって言うと



パチンとデコピンされた



「イタッ
ちょっとレイジくん?
お姉ちゃんに向かってなにするの?」


「ミカはミカだろっ!
姉ちゃんじゃねぇ!!それにお前全く気がついてないみたいだから言うけど
俺はずーーーーっと
ミカしか見てないから!!
ミカを愛してるんだ。
ミカが俺を想う気持ちの数百倍
俺はミカが好きだ。
だから、俺はどうしたらいい?
こんな俺置いて言っちゃうの??
ミカ!!
ミカはたまには自分の幸せ最優先に考えろよ!!
俺はやっとミカを抱き締めてキスして
それ以上の事も出来ると思って
ヤバイぐらい心臓がドキドキして幸せな気持ちだったのに
どうして行っちゃうんだよ!」


レイジ……


好きよ。


大好き。


レイジを苦しめてごめんね?



考えてみれば、昔からレイジにだけは私はこんな理不尽なワガママが言えるの。


だって、レイジはいつも私を優しく包んでくれたから


こんな酷い女、すぐ愛想尽かされて当然


私はつくづく、自分の事よりもリンカを優先してきたから


身体に染み付いてしまって
自分の事を1番には考えられない


それを嫌だと思った事は無くて
リンカが綺麗な顔で微笑んでくれたら満足だった。


でもやっぱ私だって
レイジと離れたくない


私だって
レイジとキスしたいし抱かれたい


私だって


途端にまた涙が溢れて止まらない



「…レイジ……まさか…レイジが
私を好きで…いてくれてたなんて…
…思わなかった…
私だって…レイジが…大好き…
私だって…レイジと…キスしたいよ?
…抱かれたいもん……
でも…決まった事だから仕方ない事なのよ…
それに今は…リンカが…前に……
進めるまで…時間が…必要だわ
…ねぇ、レイジ?
毎日は…会えないかもしれないけど……
電話する。
今は…テレビ…電話もあるし…顔は見れるよ?
……ねぇ、レイジ?
休みに入ったら……会いに……来て?
レイジん家の…別荘から…車で…1時間くらいの…場所なの……
私も…そこまで…会いに…行くから…
ねぇ…」


涙でグチャグチャになりながら
話を続けようとしたら


レイジにガシッと抱き締められて
キスされた。


「んっとに!ミカは昔っから
俺にはちょいちょいワガママ言うけど
今回のはちょっと酷くないか?
けど、そこがまた可愛くてたまらなくて
俺の胸は張り裂けて壊れそうだ(笑)
んーっ でもまー 毎日電話するよ!
会いにも行く!
年期が違うんだ俺の愛は!
そんで帰ってきたらずーっと俺の近くに囲うからなっ!
ミカが俺に愛想尽かしても
俺はミカとずーっといてやるからなっ!
俺は今井みたいにお人好しじゃないぞ!
そんでアメリカにはいつ行くんだ?」


「…2週間後なの」


「おい!そりゃまた急な話だ!」


本当は私は行かない予定だったから…
でもこれは内緒


私もレイジの近くにいたいけど
レイジをずっと想っているから…


リンカには時間が必要だからね


ごめんね、レイジ



「だって…言いづらくて」



「ああ、わかったよ…
俺でも言いづらいや!
あっ!俺なら残ってミカとずーっといるけどな!ミカの父ちゃん
ミカ命だもんな!」



レイジはいつも優しい。
だから私はレイジの前では
女の子としての幸せをずっと与えてもらってたんだ。



「うん…ごめんね」


「わかった!じゃぁ残りの2週間毎日俺と会うこと。姉貴との時間もあるだろうから毎日3時間は俺と会うこと。
そして、俺に毎日抱かれて。
ミカに俺を刻みつけて
見えない鎖で繋いでおくから
間違っても、他の奴と幸せになって!
なんて俺には言うなよなっ!」


と言って私に深い口付けをした。


優しくて激しくてとろけるような
キスだった。
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