かすみ草の恋


……レイジ


好きよ


好き!


大好き


こんな私を好きと言ってくれて
ありがとう。



「レイジ、好きよ。
でも、こんなに地味でブスな私といたら
レイジに迷惑かけないかな……
私のあだ名知ってるでしょ?
かすみ草よ?
いつも薔薇みたいに綺麗なリンカの横で
私はリンカを引きたててるの。
でも、こんな私でもリンカを引き立てる事が出来るならちっとも不満なんかないよ?
こんな酷い容姿の私なんかが
恋する資格ないかもしれないけれど…
好きな人から好きって言われるのって凄く幸せなことなのね…
しかも相手はレイジよ?(笑)
この辺では知らない人がいないくらい
カッコ良い人。顔も見てるだけでドキドキしちゃうけどね…
私はレイジの中身が大好きなの。
困ってる人がいると自然に助けちゃうし
優しいし
年下なのに威張ってる所とか(笑)
人によって態度も変えないし…
とにかく大好き!
自分がこんなに欲張りだとは思わなかった…」




まだまだ伝えたい事たくさんあるけど恥ずかしくてこれ以上無理だよ


私は真っ赤になった顔を隠したくて
レイジの胸に顔を埋めた


レイジは私をギューッと抱き締め返してくれて言った



「んっとに!ミカは……
ミカはすごい美人だぜ!
いつも自信なさそうにしてっからそんな事思うんだぞ。
それに姉貴とミカは比べようがねぇよ。
だって顔の系統が全く違うじゃん
姉貴は確かに華やかな顔してるけど
ミカはクールで清楚な感じに見える。
でもだからってブスなわけないだろ?
お前はお前にしか持ってないものしっかり持ってる。
それに中身もすげぇ純粋だし
他人の事優先しすぎるのは俺としては
いつもジェラシーでいっぱいだけど
ミカは充分すぎるほど美しいよ。
薔薇とかすみ草?
俺はかすみ草のがキレイだと思うよ
白くて小さくてさ
でもしっかり一つ一つの花に意思がある気がするし可憐ですげぇキレイだぞ。
確かにミカのイメージに合ってる。
かすみ草だけの花束なんて圧巻だぞ?
引き立て役=かすみ草じゃねぇんだ。
かすみ草はかすみ草だ。
ミカはミカだよ。
姉貴あってのミカじゃない。
お前がいつブスって言われた?
今まで一度だってそんな事言われてた
記憶なんてねぇぞ。
俺はずっとミカしかカワイイと思った事
ないし
周りにいる腹立つ野郎だって…
すんげぇムカつくけど…
お前の可愛さに気がついて目で追ってる奴だって腐るほどいる。
姉貴とミカは違うだろ?
俺はミカがいい。
ミカの全てが大好きだ…」


レイジ……


私はまたも涙腺崩壊


嬉しい


私は私なんだ。


誰の引き立て役でもない


自分の人生は自分のものなんだ。


私の人生の主役は私でいいんだ。


ずっと引き立て役の脇役だと思って
それを受け入れて
自分の欲を封印してきたけど…


レイジが私を主役にしてくれた。


涙が止まらなくて言葉にならない私を
レイジは優しく抱き締めてくれて
ずっと頭を撫でてくれた


「…あんま泣くなよ?ミカ…
本当に今日は泣き虫だなぁ。
泣き止ませないと
姉貴に後でシバかれる(笑)
でも、今日はもっと鳴かせちゃうかも。
俺、我慢できない
ミカ…俺ん家来て…?」


「えっ?なんで??
私また泣くの??」


レイジの胸からガバッと顔を上げて
見上げると


チュッ


とキスが降ってきた


そしてレイジはイタズラッ子のような顔になって笑って


「うん。
違う意味でだけど
多分ミカはまた鳴くよ(笑)」


「んっ?」


意味のわからない私は首を傾げると


「まぁ、とにかく
来ればわかる(笑)」


と言って、とびきり色気のある顔で
囁いた。


レイジかっこいい!


好き


ありがとう…



そして、レイジの部屋に行った私は
レイジと初めての時を過ごしました。


初めてはとても痛かったけど
幸せな幸せな痛みだった。


そしてレイジの事がもっともっと
愛おしくなった






「愛してるミカ…」


「…んっ …レイジ…だいすきよ…」
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