かすみ草の恋

今井くんが何やらブツブツ言ってる


「…ふーーん。そっか…
まだまだ脈ナシかぁ… でも、まっ
俺諦めの悪い男だからこれからガンガン行くから」


良く聞こえない私は首を傾げた


???



「んっ?ああ!こっちの話……
俺と山田は付き合ってねぇし
なんとも思ってないよ。
それに、俺は入学してからずっと別の奴が好きなんだ。」


と、今井くんは私の頬を突っつきながらニカッと笑って言った。


ドキドキドキドキ……


今井くんとリンカは本当に付き合ってないんだ……


まぁ、リンカは私には何でも隠さずに話してくれるからそんな事ないとは思ってたけど



ズキン……



今井くんは他にずっと好きな人がいるんだね


やっぱ、私はこれ以上今井くんに余計な感情を抱いてはダメ。



「そうなんだ…リンカと今井くんはお似合いだとは思うけど……
今井くんは今井くんの好きな人と
どうか、上手くいきますように」



と言って、私はポケットからイチゴの飴を取り出して今井くんの手の上に乗せてニッコリ笑った。


「ん?」


と今井くんは手の平の飴を見た。


「小さい頃からのおまじない。
何かあった時とかね、このイチゴ飴を舐めるの。
リンカが転んで泣いてる時もこの飴を口に入れてあげると笑ってくれたんだよ?
今井くんの恋が上手く行くように願掛けしといたから、きっとこれで叶うよ?」


と言って、その飴をもってる方の手を
ギュッと両手で包むように握って
祈りを込めた。



「じゃぁ、私行くね?
授業始まっちゃう!!」



と言って私は慌てて飽き教室から出ると教室へ急いだ。



教室へ戻ると、リンカは言葉とは裏腹のニヤケ顔で


「ミカ、大丈夫だった??(笑)」


と言われ男の子の集団からは


「お前も隅に置けないな〜
でもまぁ、リンカちゃんといるから目立たないけど、橘もなかなかイケてるっちゃイケてるぞ(笑)」


はぁっ?


何言ってんだかぁ……


私はそれぞれに向かって


「はいはい、私に限って何かあるわけないでしょ?(笑)」


と言って笑った。


リンカが


「えっ?本当に??」


と口を開いたけど、始業を知らせる
チャイムと共に先生が入ってきたので
話はそこで終了した。
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