守る壁ドン
私の名前は、サチコではなくサキコだ。
咲く、に子供の子で、咲子です、と初めに説明したはずなのに。
「川田先輩、もう酔ってるんですか?水野さんに絡んじゃだめですよ」
中谷さんが控えめに注意し、私に「すみません」と謝った。
彼は何も悪くないのに。しかし、当の川田さんに反省の色はない。
「絡んでなんかねえよ!二人で楽しくおしゃべりしてるだけだよなぁ、サチコちゃん?」
「あの、私の名前は…」
「サチコちゃんさ、得意料理は何?俺、こう見えても味にはちょっとうるさいんだぜ~」
もういいや、サチコで。
それにしても、答えを全く聞かないのなら、質問をする意味があるのだろうか?
その後も、川田さんはずっと一方的に喋っていた。
内容は、仕事が忙しいという自慢話、忙しすぎて寝ていないという自慢、合間に幹事の山岸さんや中谷さんの黒歴史を語ってライバル達の足を引っ張り、その後はまた自慢。昔はワルだったんだぜ、と武勇伝を延々と語った。
私はその間、はぁ、とか、そうなんですか、と適当に相槌をついていただけだったが、川田さんは気にする様子もなく上機嫌で喋り続けた。
川田さんは私に料理を取り分けさせたり、ビールを注がせたりしたが、私に何かしてくれることはなかった。
咲く、に子供の子で、咲子です、と初めに説明したはずなのに。
「川田先輩、もう酔ってるんですか?水野さんに絡んじゃだめですよ」
中谷さんが控えめに注意し、私に「すみません」と謝った。
彼は何も悪くないのに。しかし、当の川田さんに反省の色はない。
「絡んでなんかねえよ!二人で楽しくおしゃべりしてるだけだよなぁ、サチコちゃん?」
「あの、私の名前は…」
「サチコちゃんさ、得意料理は何?俺、こう見えても味にはちょっとうるさいんだぜ~」
もういいや、サチコで。
それにしても、答えを全く聞かないのなら、質問をする意味があるのだろうか?
その後も、川田さんはずっと一方的に喋っていた。
内容は、仕事が忙しいという自慢話、忙しすぎて寝ていないという自慢、合間に幹事の山岸さんや中谷さんの黒歴史を語ってライバル達の足を引っ張り、その後はまた自慢。昔はワルだったんだぜ、と武勇伝を延々と語った。
私はその間、はぁ、とか、そうなんですか、と適当に相槌をついていただけだったが、川田さんは気にする様子もなく上機嫌で喋り続けた。
川田さんは私に料理を取り分けさせたり、ビールを注がせたりしたが、私に何かしてくれることはなかった。