おまけの一個
お弁当を食べながら
大輔君には、ああ言ったけど本当は面白くないのよね。
まだ礼音を見て、ぽっと頬を赤らめてる女の子とかは可愛いなとか思うけど、今朝のお客様はあからさまに礼音に誘いをかけていた。
勿論断るのは分かってはいるんだけど。
それを目の辺りにすると、やっぱりヤキモチも妬きますよ。
なんたって私は出来た女ではないのだから。
私の誕生日にプロポーズされて、それから礼音が独立してヘアサロンを開店したのと同時に私も会社を辞めて店を手伝っている。
ま、美容師ではないから受け付けや事務とか雑用をやってるんだけど。
結婚は来年することになっているので今は婚約者。
でも、お客様はそんなの知らないもんね。
礼音は所謂イケメンさんだから昔からモテる。
幼馴染みって時は『礼音モテるね』なんてからかってたけど恋人ってか婚約者になると急に面白くなくなる。
人間って勝手なもんだわ。
てか、私が勝手なだけか。