おまけの一個
「あの時から次は何しでかすんやろと危なっかしいさかいにずっと見てた。お前は気づいてへんかったけど。そやからお前のことはお前以上に分かっとる」
「……」
「そやからや、何で『べつに』なんや?」
えっ?
あ、さっきの話しね。
「だから、べつに。あ、いや何でも」
「ないことはないわな」
「……」
不利だ。
「あっと…も、もう食べ終わったんならお弁当箱洗うね」
立ち上がり礼音の前のお弁当箱を取ろうとすると
「棗」
伸ばした手を捉えられ礼音も立ち上がる。