おまけの一個
「それにな、もしお前が年上いうんを気にしてるんやったら俺も気にせなあかんやん、お前より二つも下いうことを」
「えっ?」
頬っぺたから離れた礼音の片手は壁に、もう片手は私の頬に。
「それと、お前がヤキモチ妬くって言うてるけどな、俺も妬いてんねんで」
「は、はぁ?礼音がヤキモチって誰に?」
そりゃ前は『私に言い寄る奇特な男を蹴散らしてきた』なんて本気か冗談か分からないことを言ってたけど、一緒に仕事をしてるんだから私の周りには男って…
「大輔」
「だ、大輔君?」
礼音が大輔君にヤキモチって、何で?
「大輔君は」
「あぁ、分かってる。俺の後輩で勿論棗と俺のことをよう知ってる」
うん、それに
「大輔君は私より四つも下だし、それに彼女…彩ちゃんが」
「分かってんねんて。そやけど大輔がお前の作った弁当を『美味い』って食ってて、それをお前が嬉しそうにしてると…ま、これは男の性(サガ)やな。お前が妬くのと一緒や」
お弁当は毎日コンビニ弁当も飽きるし不経済なんで初めは礼音と私の二つを作ってたんだけど、大輔君に聞いたら『よかったらお願いします』って言われたので三つ作っている。
礼音も『作ったれ』って言ったんだけど。