おまけの一個
「大輔の弁当を作るんを反対してるんやないで」
「うん」
何となく礼音の気持ちが分かった。
「礼音」
礼音の頬に手を
「棗」
唇がくっつく一歩手前で
「礼音のお弁当にはいつも玉子焼きを一個おまけしてるんだよ。 細やかな私の気持ち」
「ほんまに細やかやな」
唇が重なる瞬間…
「礼音さん、棗さん、いい加減に店に出てきて下さい。いちゃつくのは帰ってからで」
ドア開けて大輔君が!
「チッ!せっかくええとこやったのに。大輔てめえ絞めてやる」
「いくら今流行りの壁ドンしてるからって照れなくても」
「壁ドン?なんやねんそれ」
「あれ、知らないんですか?」
「……」
大輔君ニヤニヤ。
礼音、そういう若い子の流行りとかは疎いもんね。
「棗さんに帰ってからゆっくり教えてもらって下さい。今は先ず仕事です」
「あ、あぁ、分かった。棗」
「うん」
「続きは帰ってからな」
チュッ!
頬にキスをして店に。
「ほんとにラブラブなんだから。俺も彩に会いて~」
「阿呆か!」
顔を少し赤らめて二人店へ。
もう、礼音ったら。
だけど…
礼音も私と一緒なんだ。
もしかしたら恋をしたらみんな同じかも知れないな。
ね、礼音
私は貴方を誰よりも信頼してるし…大好きだよ。
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「棗、はよ店に出ろ」
「はぁ~い」
*Fin*