本当に好きな人【企画作品:完結】
『…どうした?何を泣いてる?
あんまり泣くと目が腫れるぞ?
何も心配しなくていいぞ。』
志龍さんの繊細な指が
私の頬の涙を拭ってくれた。
「……志龍さん…ごめんなさい。
迷惑かけて…ごめんなさい。
私…来週から…ちゃんと頑張るから
だから…私のマネージャーやめないで。」
私は志龍さんのワイシャツを軽く掴むと
ポロポロ涙を流した。
マスコミに追われないよう
自宅から出ずに一人で休養していた私は
何かと不安が募って怖かった。
志龍さんがあの記事を一瞬でも
疑ったりしたんじゃないかとか
私の元からいなくなっちゃうんじゃ
ないかと不安になったりもした。
すると
『………美華奈!!』
………ドンッ。
彼に名前を呼ばれた私は
急に両肩を掴まれると
近くの壁に思いっきり
背中を押し付けられた。
何が起こったのか?と
顔を上げたその瞬間私は志龍さんに
噛み付くようなキスをされた。