真実アイロニー【完結】


新学期。

一ヶ月半振りに見る生徒の顔。
焼けてたり、少しだけ髪の毛が明るくなってたり。

有意義な時間を過ごしたのだろうか。
そう思うと、俺の顔も自然と緩む。



「早乙女先生、おはよー!」


背後から元気な挨拶が聞こえて、後ろを振り向いた俺はその姿を見てぎょっとした。


「……、え、っと。小島…さん?」


思わず、言葉に詰まる。


そりゃそうだ。
彼女ご自慢の緩やかなパーマをあてた髪の毛が、バッサリと切られていたんだから。


何があったのかわからない。
だけど、耳上で揃えられているショートヘアには驚きを隠せずにいた。



目を真ん丸にして彼女を見つめていると、クスクスと小島さんが笑った。



「ふふ、似合わないですか?」

「いや、前の髪型も似合ってたけど…こっちもとっても似合ってる」


そう、似合ってる。
元々可愛い顔立ちをしてるし、頭の形も綺麗だからショートヘアがとっても似合っている。
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