真実アイロニー【完結】



「……もしも」

「え?」



やっぱり俺の事を見ていない小早川が、独白する様に呟いた。


「私がいなくなってもここに来てくれますか」

「……」



―――――いなくなっても?



「それ、って?」



どういう事だ。
死ぬ、っていう事か?



「あれから、切ってないですよ。
安心して下さい」


俺の様子で、考えてる内容に気付いた彼女が薄く笑うとそう答えた。

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