真実アイロニー【完結】
エピローグ
「ねえ。先生。でも、それって完全な白にはならないでしょ?」
「いいんじゃない?それで」
俺は玲織奈の頬を撫でて、一度額にちゅっとする。
「人間に真っ白い完璧な人が存在しない様に、さ」
どうやったって、醜い感情を持ってしまう。
それが、普通で、それが素敵な事なんだ。
そんな感情を知らないままだと、俺は痛みに気付けない人になってしまうと思うから。
たくさん悩んで、たくさん後悔した玲織奈は。
きっと、とても素敵な女性なのだから。
だから、俺は今日も明日も玲織奈を愛していくよ。