真実アイロニー【完結】
「その事よりも、俺は小早川さんがそんなに喋る事に驚きだよ」
「……っ!」
目を細めながら小早川さんにそう言うと、彼女はハッとして少しだけ頬を染める。
無口なわけでもなかったんだな。
こう見たら、彼女はどこにでもいるごく普通の女子生徒にしか見えなかった。
少しだけ小早川さんの事を知った。
少しでも近付けただろうか。
それが、俺にはとてつもなく嬉しかった。
「よし、今日はこれぐらいにしようか」
「はい」
途中脱線してしまったから、凄い進んだわけではなかったけど、これ以上残すわけにもいかない。
女子生徒を遅くまで残すのも気が引けるし。