真実アイロニー【完結】
「また明日残る様に」
「わかりました」
「あ、俺も名前書いておかないとな」
そう言うと、俺は画用紙の裏側に自分の名前をサラサラと書く。
後ろから小早川さんはそれを見ていて、ぽつりと呟いた。
「……早乙女…とわ?」
「いや、ながひさ」
「ふうん、とわだったら良かったのに」
「どうして?」
「……なんか、結ばれたら一生離れられない様な気がするから」
そうやって無表情で言う彼女。
何を考えてるのか、わからない。
何があって、そう思うのかも。