生意気な彼女
サクラってば、なんてこと言うの。
わたしは首と手をブンブンと横に振り否定する。
「ちっ…、ちがうっ!そんなの、ウソ。
ぜんぜん、まったく…っ!!その日は友だちと…っ」
あまりの力の入りように、目を丸くしたヨウジくん。
「………あ。……友だちと、ずっと前から約束を……してた、っていうか」
「そっか。そうなんだ」
「………うん」
わたしの慌てぶりが面白かったのか、ヨウジくんがクスクスと笑う。
もうっ。サクラのばか。
いいかげんなこと言わないでよ。
カァッと余計に熱くなった頬を両手で覆い隠した。
そんなわたしにヨウジくんは、
「今年のクリスマスは、彼氏と一緒に過ごすのかな、って思ったんだけど」
そう言うと静かに口角を上げた。