生意気な彼女

「そういえば。サクラちゃん、彼氏ができるかもしれない、って言ってたんだ。クリスマスはその人と過ごすって」

「えっ！？ほんと？わたし、聞いてない。
……もしかして、香水の人かな」

「香水の人？」

「うん。サクラに香水をプレゼントした人がいるんだけど。でもサクラは、付き合うとか、まだぜんぜん考えてないって言ってた」


好きな人ができたとか、告白されたとか。

サクラはいつも嬉しそうに、どこか自慢気に話してきた。


ヨウジくんと腕を組んで歩いていたあの日から数ヶ月後にも。

「カレシに昇格したの」

と、年下の男の子を紹介された。


それから一年とちょっとして、

「他に好きな人ができちゃった」

と聞かされて。


それは、ヨウジくんがいても変わらなかった。

ヨウジくんはいつも、サクラの話をにこやかな表情で聞いていたけど。


ほんとは、どう思ってたのかな。

サクラが他の男の人のことを嬉しそうに話す姿を見て、胸が苦しくなったりしたのかな。