生意気な彼女
ずっと夢みてた。
大げさじゃなくて。
ヨウジくんを好きになってから、ずっと。
並んで歩くこと。
触れること、触れられること。
たった数メートルの距離だけど。
夢が、叶っちゃった。
わたしたち、どう見えるかな。
どんなふうに映ってるかな。
信号が青になって、一斉に歩き出した人たちの中で。
わたしたちは、どう映ってるんだろう。
ヨウジくんのコートの袖をキュッと握りしめて、ヨウジくんの横顔をチラリと盗み見する。
「渡りきるまで」じゃなくて。
できれば、「このままずっと」って。
そう願うのは、いけないことかな。
寒いねって、そう言いながらヨウジくんと腕を組んで歩けたら。
そう願ってしまうのは。