生意気な彼女

「知りたかったんだ。
ずっと、聞きたいと思ってた」

そう言ったヨウジくんの腕に、ぎゅっと力が入る。


「ハルカちゃんの気持ちが、ずっと、知りたかった……」


ヨウジくんの声が少しだけ震えていたのは。

寒さのせいなんかじゃないよね?


「ヨウジくん……」


わたしの声が震えているのも。

寒さのせいなんかじゃない。


「ハルカちゃんが思ってきたこと、いっぱい聞かせてよ。今まで言えなかったこと、ぜんぶ」


すぐそばで、ヨウジくんの声が響く。

弱くてずるいわたしを、抱きしめてるって証拠。


「オレも、言うよ。ぜんぶ」


「………うん」


ゆっくりと離れた体。

そっと顔を上げれば、すぐそばにヨウジくんの笑顔があった。


大好きな、ヨウジくんの笑顔。

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