生意気な彼女
手を繋いで歩いた。
冷えた指先が、ジンジンと痺れていて。
なんだかそれだけで恥ずかしい。
「ふふっ」
溢れ落ちた息は、柔らかな白。
赤に緑に、青、白、ピンク。
キラキラと眩しいほどの光の中。
ドキドキして。
どうしよう、どうしよう、って。
そう思いながらヨウジくんと歩いていく。
ぜんぶ、言うね。
今まで伝えられずにいた気持ち。
飲み込んできた言葉。
『わたしと、キス、……してください』
その言葉に込めた想いを。
ぜんぶ。
【完】