生意気な彼女
「楽しんでない?」
「まさか。真剣だよ」
「ほんとに?」
「ほんとに」
そんなやりとりを数回したあと、ヨウジくんが、
「あ。こんなのはどう?」
器用に左目だけを細めて言うんだ。
「生意気なくらい一生懸命で。生意気なくらい正義感が強くて。生意気なくらい気配りできる子だよね」
姿勢を正して聞いていたわたしは、ヨウジくんのどこか得意げな表情に、ぱちり、と音がしそうなまばたきをしてしまった。
「あ。ダメ、…だった?」
しまった、と苦笑いしたヨウジくん。
「……ううん。ダメじゃない。………なんか、
すき…かも。そういうの」
「え?マジで?」
「……うん。まじ、で」