生意気な彼女
『もしもーし。ヨウジくん?今、どこ?
え?マジで?じゃあさー、ちょっとだけ会えないかなぁ』
そう言って呼び出したのは、バイト先のイケメンくん。
ちょっとぐらいワガママ言ったって、
『んー、……わかった。少し待ってもらってもいい?なるべく早く行くようにするけど』
なんて言ってくれちゃう、優しいひと。
「あっ!ヨウジくーん。こっちこっち!」
横断歩道を渡りきったヨウジくんに大きく手を振って自分の存在を知らせる。
「ごめ、……遅くなっ、て……」
「ううん。こっちこそ、急に呼び出しちゃってごめんねー」
「いや、ぜんぜん、いいんだけど…」
「…………」
うわぁ。なんか、キュンとしちゃった。
こんなときでも。
こんなときだから?
色とりどりの光を浴びながら肩で息をするヨウジくんの姿に胸がきゅうっと締めつけられる。
ヤバいなぁ、私。
泣いちゃいそう。