生意気な彼女

私には、好きなひとがいた。

そのひとは、バイト先のコンビニにやって来るお客さんで。


缶コーヒー片手にガムを選んでる姿とか。

おにぎりを手に取ったかと思ったら、慌ててサンドイッチに変更しにいくところとか。

お釣りを受け取るときに広げる手のかたちとか。

「ありがとう」って声のトーンとか。

笑ったときにできる目尻のシワとか、きゅっと上がった口角とか。


いちいちキュンキュンさせてくれちゃうひとで。


いつの間にか、好きになってた。


思いきって連絡先を聞いて。

告白して。


ときどき会うようになって。

キスだってした。

その先だって、した。

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