Distance
「うわぁぁ…えぐいね。」
奈緒がため息をもらす。
でも奈緒はもっとえぐいんだけどなぁ…
奈緒は美人だから後輩からの呼び出しが
半端じゃなく多い。さっきまで4人の男の子達に告られてた。うぅ…横にいるあたしは
つらいよ…
「はいこれ!! 美麗のぶんね!!」
そう言ってあたしに渡してきたのは
手紙の山。軽く50枚はある…
「な…に? これ。」
「なにこれ?ってラブレター。」
「ラブレっ?! あたしに?! 間違いじゃない?」
宛名を確認してみる…
ぜんぶ、『美麗先輩へ』って書かれてる…
内容は『好きでした』とか『憧れでした』
とか…好きって…
「やっぱ、奈緒にだよ!!」
「…この天然!!!!」
「奈緒? 何怒ってんの?」
遥と大地が帰ってきた…でも学ランのボタンは見事に全部ない。
「ベルトまで取られた笑」
「大丈夫? 風邪ひくよ?」
あたしは遥にマフラーをわたす…
「はいこれ。」
遥がなにかを投げてきた。
え…これって…
「第2ボタン??」
うちの中学は第2ボタンだけデザインが違うからすぐにわかる…。なんであたしに?
「1番お世話になったし…」
「…遥……。ありがとう。」