とろける小春
パソコンに向かう作業は人付き合いに悩むことなく、とても楽ちん。
そんな中、二度目の恋なるものに遭遇した。
その相手である同期の篠原君とは飲み会で一言二言話す程度の関係だけれど、お酒に強い私が気に入ったのか、彼を目当てに群らがる女性をやんわりかわしながら。
「冬生まれなのに、小春って、その名の由来は?」
「パソコンを自分で組み立てられるなんて尊敬する」
「ゲレンデの雪に負けないほど綺麗な白い肌だな」
その整った顔に負けないくらい、魅力的な声、決して可愛いとは言えない私のことをばかにすることない穏やかさに。
俯きながら熱い顔を隠していた私の心は盗まれた。
とはいえ、恋愛に不慣れ、そして不向き。
今回も恋心は伝えられないと諦めていたのに、同期で行くことになったスキーツアーに、勇気を出して参加するくらい彼に夢中になってしまった。