とろける小春
スキーツアーに参加することに同期みんなが驚くほど、人見知りが激しい私。
恋心を抱いている相手と、平気で言葉を交わせる技量もなくて。
ようやくの二度目の恋に、右往左往してばかり。
それがつらくてつらくて。
そんな気持ちにけりをつけようと、スキーツアーという超ど級の苦手分野に挑戦したというのに。
結局、怪我をして、迷惑をかけて、情けない。
ふと篠原くんと視線を合わせた途端、ドキドキと全身が固まってしまった。
そして私の視線は再び足元に落とされる。
落ち込みならお手のもの。
こんな素敵な人に恋しても叶うわけないのに、とわかっているのに。
落ち込むなんて、それこそ身の程知らずだ。