とろける小春

「うわっ。その落ち込む顔、うずうずする。写メっていいか?」
「え?」

いいか? なんて聞いたくせに、私の答えを待たずにスマホを向ける篠原君。
『ピローン』とシャッター音が病室に。
スチール椅子をベッドの横、私の目の前に置いて腰掛けちゃう。
普段と変わらない、篠原君の自由な様子にほっとしながらも、私の足のギブスをするする撫でるなんて大技も披露してくれるし。
外科の次は心臓のお医者様に診てもらわなきゃって思うほど鼓動はとくとく鳴り止まない。

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