とろける小春
「息しなきゃ、顔がもっと真っ赤になるぞ」
「え? 真っ赤?」
「ああ。俺がここに来てからずっと、まっかっか」
くすくすと笑う声に何も言い返せずにいると、篠原君が私の右手をそっと取る。
「え……な、なに?」
篠原君は私の右手を持ち上げ、包帯で巻かれたそれを両手で包み込んだ。
「小春が転倒した時、びっくりして息が止まりそうになった」
「……お恥ずかしい」
雪が降り始め、視界が悪いゲレンデをゆっくりと滑っていたにも関わらず転倒した私。
スピードを出していた滑走者が背後から私の目の前に回り込んだ途端、バランスを崩したのが原因。
急な斜面だったこともあり、転げ落ちるように雪の上を舞い、右足を骨折してしまうほどの大けがをしてしまった。
「え? 真っ赤?」
「ああ。俺がここに来てからずっと、まっかっか」
くすくすと笑う声に何も言い返せずにいると、篠原君が私の右手をそっと取る。
「え……な、なに?」
篠原君は私の右手を持ち上げ、包帯で巻かれたそれを両手で包み込んだ。
「小春が転倒した時、びっくりして息が止まりそうになった」
「……お恥ずかしい」
雪が降り始め、視界が悪いゲレンデをゆっくりと滑っていたにも関わらず転倒した私。
スピードを出していた滑走者が背後から私の目の前に回り込んだ途端、バランスを崩したのが原因。
急な斜面だったこともあり、転げ落ちるように雪の上を舞い、右足を骨折してしまうほどの大けがをしてしまった。