女子に壁ドンされた僕。
今日の5限目は体育。
体育祭が近づいてきたので、男女合同。
クラス対抗全員リレーの練習をしている真っ最中だ。
僕は足が遅い……と言いたいところだが、足は速い方。
運動はそこそこできる。
そこは親に感謝している。
個々にバトンの受け渡しの確認をして、全員で通しの練習に入る。
僕は、第一走者だ。
第一走者とアンカーは、皆より少しだけ距離が長い。
こんなところでしか良いところを見せるチャンスはない。
たとえ練習とはいえ、かっこいいところ見せなきゃ!
そんな、余計なことを考えていたからバチが当たったんだろうか。
「よーい!」
パーン!!
ダッ
「「たっくん、頑張れー!!」」
よし、いい走り出し!!
そう思っていた矢先、
ズベッッ!
……!
痛ーーーーーーい!!
転んでしまった。
しかも、勢いがついていたため、それはそれは派手に。
「「キャー!たっくん、大丈夫ー!?」」
「大丈夫か、草凪!これは派手にやったな〜。おーい!3組の保健委員!!」
「はい!」
タッタッタッタッ…
「おー!沖田か!草凪を保健室に連れてってやりなさい。あと、頼んだぞ。
ほら!残りのやつらは第二走者から再開するぞー!」
「ちょっと、大丈夫?…はい。」
玲緒奈ちゃんが肩を貸してくれる。
『…ごめん。』
あぁー!かっこ悪すぎる!!
「本当にあんたは鈍臭いんだから。」
ズキッ
ちょっと今のはダメージデカいな。