甘々いじわる彼氏のヒミツ!?
その場に残されたあたしと遥斗の間には微妙な空気が流れる。


たまらずにゆっくりとした足取りで走り出すと、遥斗はあたしのペースに合わせて並んで走った。


「つーか、あんな奴のどこがいいわけ?」


「あんな奴なんて言わないでよ」


「本当にアイツが好きなの?」


「……そんなの遥斗に答える必要ないじゃん」


「まぁね。でも、俺はアイツのこと嫌い。杏には似合わないって」


「別に遥斗が先輩を嫌いでも、あたしが好きならそれでいいでしょ」


わずかな沈黙が訪れる。


けれどその沈黙を破ったのは、遥斗だった。
< 253 / 451 >

この作品をシェア

pagetop