甘々いじわる彼氏のヒミツ!?
何度「先行っていいよ」と言っても「嫌だ」と言うことを聞かない遥斗。


あたしは諦めて隣を走る遥斗に問いかけた。


「長距離走って苦手なの?」


「何で?」


「だって、いつもあたしの後ろにいるでしょ?あたしも遅い方なのに、それよりももっと遅いじゃん」


「俺、短距離よりも長距離の方が得意だよ」


「だったら何でいつも後ろの方にいるの?」


「目で追っていたいから」


「何を?」


「好きな子を」


「……――好きな子?」


「そう。好きな子」


思わずピタリとその場に立ち止り遥斗に視線を向ける。
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