甘々いじわる彼氏のヒミツ!?
「は、遥斗……。遥斗ってば!!」


顔を持ち上げることなく遥斗のことを呼ぶ。


「ん?なに?」


「話があるなら後で聞くから。だから、教室から出て行って?ねっ?」


「なに?よく聞こえない」


遥斗はあたしの声を聞きとろうと、その場にしゃがみ込んであたしの顔に自分の顔を寄せているようだ。


突然鼻に届いた遥斗の香水の香りに心臓がトクンっと鳴りだす。


「キャー――見てーーー!!」


その瞬間、廊下から悲鳴にも似た声が上がる。


や、ヤバい。ヤバすぎる!!


身の危険を感じて熱くもないのに手のひらに大粒の汗をかく。
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