私の好きな人。
「モテますねー」
興味無さ気なその声に、私は手放していた意識を取り戻した。
坂崎さんに聞かれてたんだ!そんなの困る!!
「坂崎さん違うんです!私……」
「何が?」
慌てて弁明する私の耳に、坂崎さんの声が冷たく響いた。
「何がって、私が好きなのは……」
ジワリと、視界が潤む。
坂崎さんを目で追うようになって三か月後。私は意を決して彼に告白をした。
それから、私の気持ちは毎日の様に伝え続けている筈なのに……
『何が?』だなんて、さすがにひどい……
「あの人、柳瀬だっけ」
「え?」
けれど彼は私では無く、課長が歩いて行った方向を見つめて何か考える様な表情を浮かべていた。
「中部地区から来た京王大卒やり手営業。最年少部長昇進間近?」
そこまで言ってから、モップ片手に私に振り向きニヤリと口角を上げる。
「女子社員の憧れじゃねーの?」
悔しい。その笑顔に私の心は奪われるのに、この人の瞳は意地悪だ。
「どうして……」
私の気持ち、知ってるくせに……
興味無さ気なその声に、私は手放していた意識を取り戻した。
坂崎さんに聞かれてたんだ!そんなの困る!!
「坂崎さん違うんです!私……」
「何が?」
慌てて弁明する私の耳に、坂崎さんの声が冷たく響いた。
「何がって、私が好きなのは……」
ジワリと、視界が潤む。
坂崎さんを目で追うようになって三か月後。私は意を決して彼に告白をした。
それから、私の気持ちは毎日の様に伝え続けている筈なのに……
『何が?』だなんて、さすがにひどい……
「あの人、柳瀬だっけ」
「え?」
けれど彼は私では無く、課長が歩いて行った方向を見つめて何か考える様な表情を浮かべていた。
「中部地区から来た京王大卒やり手営業。最年少部長昇進間近?」
そこまで言ってから、モップ片手に私に振り向きニヤリと口角を上げる。
「女子社員の憧れじゃねーの?」
悔しい。その笑顔に私の心は奪われるのに、この人の瞳は意地悪だ。
「どうして……」
私の気持ち、知ってるくせに……