好きな人はニセ彼女。
……まぁ、城田さん面白いしね。
『つーか、あれだろ?城田とお前って付き合ってんだろ?』
風斗がふいに話を変えてきた。
なんだ、もう知ってんのか。
なんか上手く言えるか分からないけど、
オレは精一杯の嘘を付いた。
「そうだよ」
『今年から?』
「………そ、」
『そっかー……。良かったなー、夏目!!』
風斗はそう言ってオレの肩をバシバシ叩く。
笑顔で、嬉しそうに。
………でも、痛い。
「…………ありがと」
『夏目がなー、彼女かぁー……』
感動してんのか、バカにされてるのかはよく分からないけど、
彼女じゃないよ、本当は。
そんな言葉はいつものように、忘れたフリをして飲み込んだ。