好きな人はニセ彼女。
“転校”?風斗が?
いつ?体育祭が終わったあとか?
……でも、どこか振り切れたように話す風斗を見て
そっか。としか言えなかった。
なんでいきなり転校なんか、すんだよ。
せっかく同じ委員会入ってたのに。
そう思った言葉も、言葉にならないで消えた。
なんで転校なんて。なんでそんなに笑って。
……オレは、全然風斗のことを知らなかったらしい。
確かに最近は話してなかったかもしれないけれど。
『あ、だから今度の文化祭の時は違う奴がいると思うから仲良くしてやれよ?
アイツだと思うから』
にしっと風斗は笑って見せた。