好きな人はニセ彼女。
そうやって隣に現れた小泉さんは、腕を組んで
目を細めてオレたちを見下ろす。
小泉さんってこんな人だったんだ、初めて知った。
そんなことを考えてる場合じゃないんだろうけど。
『サボってねぇよー。なぁ、夏目ー?』
「え、あーまぁ」
サボってたような気もするけど、とりあえず小泉さんの目線が怖い。
でもその目が向いてる先は……オレではない。
『夏目はいいんだよ!奈菜の彼氏なんだから!
でも風斗は駄目!』
…………城田さんの彼氏の特権ってすごいな。
と、心の底から思った。