好きな人はニセ彼女。
『ん?どうしたの、夏目くん』
「……あの2人、仲いいんだろうなーって」
『あー、あの2人はねぇ……』
そこまで言い掛けて、城田さんはオレの耳に顔を近づける。
息が、耳にかかってくすぐったい。
わずかに髪も当たる。
『きっと、両想いなんだと思うよ』
と、ボソリと呟いた。
あの2人はとても仲がいいんだと。気付いてないのは2人だけなくらいに。
…………でも、なんとなく心の中で何かが引っかかるのは気のせいか。