好きな人はニセ彼女。



***



『リレーとか、だるい』



次の日の朝、隣で汗を拭いながら溜め息をつく和輝。

真っ青な空と対になる、和輝の赤いタスキ。


目に飛び込むくらいの単色は、和輝にはよく似合ってた。


……オレには、合わないかな。



『夏目は?この後は?』


「オレは応援するだけ」


『なんだ、そうなのかぁー……』



若干つまんなそうに、和樹は呟きながらぼーっとグラウンドを眺める。



和樹はこの後、全学年の選抜リレーに出るからまだ休めない。


和樹は足が早い。



コイツの場合、逃げ足とかも早そうだけど。 




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