好きな人はニセ彼女。
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『リレーとか、だるい』
次の日の朝、隣で汗を拭いながら溜め息をつく和輝。
真っ青な空と対になる、和輝の赤いタスキ。
目に飛び込むくらいの単色は、和輝にはよく似合ってた。
……オレには、合わないかな。
『夏目は?この後は?』
「オレは応援するだけ」
『なんだ、そうなのかぁー……』
若干つまんなそうに、和樹は呟きながらぼーっとグラウンドを眺める。
和樹はこの後、全学年の選抜リレーに出るからまだ休めない。
和樹は足が早い。
コイツの場合、逃げ足とかも早そうだけど。