好きな人はニセ彼女。
グラウンドに走っていく和樹を見送って、
ふと、自分のクラスの場所へと目を移す。
………いない。
さっきまで友達と話してた城田さんの姿がなかった。
……もう、競技はないはず。
どこに行ったんだろうか。
まだ、今日は一度も話せてないんだけど……。
『…………夏目くん?』
その声に、反応して後ろを見てみれば、
「…岩田さん」
この前、オレに告白してくれた岩田さんがいた。
声で、城田さんじゃないなとは、思ってたけど。