好きな人はニセ彼女。
「…………大丈夫なの?」
『え、え?なんで知って………』
「………その手に持ってる消毒液貸して。
手当て出来る道具探してくるから動くなよ」
ガタッと椅子の引く音。
自分の足音。
なんだかここだけ体育祭と切り離されてて
妙に静かだった。
緊張、するんだけど。
城田さんの方を少し、振り返ってみれば
窓の外をぼーっと見てた。
なんか、元気そうだけど何だか静か。
……らしくない。のかも。
けど、そんなことを気にしてるほど今のオレには余裕なんてない。