好きな人はニセ彼女。
凛歌は焦ってるけど、私は凛歌の泣き跡ばかりが気になる。
でも、私のところに何で来たんだろ。
凛歌はクラスの待機場所から少し離れた場所で立ち止まった。
……観戦の声だけが耳元に残っていた。
『…………風斗、転校しちゃうんだ』
「………っ!?」
凛歌はまた、泣きそうになった。
『私、どうすればいいのかな……?』
その言葉が私の頭を殴る。
“伝えられないまま”なんて、後悔するだけだ。
それが分かってるから、頭が痛くなる。
あの時の私と重なって。