好きな人はニセ彼女。
♯11ドキドキ。
***
『城田さん?本当に大丈夫なの?』
耳元に優しい声が聞こえる。
__私、何考えてたんだっけ?
目の前には夏目くん__って、違う。
私、今、抱き締められてるんだ。
………ドキドキしてる。
そんなことも忘れるくらいに、夏目くんのことをぎゅっと私も抱き締めてた。
心臓は跳ね上がる、まるであの時みたいに。
夏目くんの方がやっぱり大きいよね……。
身体、私が小さく感じてくるし。
「………………夏目くん、」
『ん?』