好きな人はニセ彼女。



「…………そう、だな」



適当に、曖昧に言葉を返して

瀬戸の方を見るとまた、悲しそうな顔をする。




『………お前って、憎めないよな』


「何言ってんだよ、急に」


『…………なんとなく』


「……………なんだよ、それ」




くすっと少しだけ笑えば、瀬戸も少しだけ笑う。



……………瀬戸はいい奴だよな、本当。









日が暮れると同時に、オレらは教室を出た。


__別れた後は、いつものように自転車に乗った。



なんだか、辛い。







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