好きな人はニセ彼女。


そう思うから、



「じゃあ、また」


『……うん。またね』




駅について城田さんと別れる。

何となく見つめてしまった城田さんの背中はいつもより小さく見えた。





あーあ、こんなことしなければ良かった。


嘘で付き合うことなんて、しなければ良かった。




そうすれば、辛くならなかったのに。


離れがたいなんて、思わなかったのに。




まさか自分が、そんなこと思うだなんて考えもしなかったな。











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