好きな人はニセ彼女。
…何泣きそうになってるんだろ、私。
なんで、なんで………っ。
『城田?』
「あ、ごめん…」
気付けば、瀬戸が教室に来ていた。
いったいなんの話をするんだろうな。
久しぶりの2人きりでの会話は、なんだか少し…緊張する。
私は、ただ瀬戸の後ろについて教室を出た。
……夏目くんの顔、見られなかったな。
どうしたんだろ、本当に。
夏目くんのことを考えるだけで苦しくて、胸が痛くなるなんて。
……いつから、夏目くんがいないと駄目になったんだろう。