好きな人はニセ彼女。



気持ち、返せなくてごめんね。

今も好きって言えなくてごめんね。



「ばいばい、」


『……またな』



また、か。

また、話せるよね。話せる時がくるよね。



小さく瀬戸に手を振って、笑えば

瀬戸も小さく手を振ってくれた。





………私、これから夏目くんに告白するんだ。








「……ばいばい、遼太」


なんとなく呟いてみた、懐かしい響きの言葉は誰にも届かず消えた。


ごめんね、中学生の私。

叶えることが出来なくて。




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