好きな人はニセ彼女。
和樹は首を傾げて聞いてきたけど、
空が青いから……みたいな意味不明なことしか言えない。
「…………そう?」
『うん、あー、そーいやさぁ?』
“俺の勘違い?”とぼそりと呟いた後、
何かを思い出したように和樹は天井を見た。
わずかに眉をひそめたのは、気のせいか。
けどやっぱり、気のせいではないようで、
『隣の隣のクラスの男子が、城田のこと
呼び出してたぞ?放課後』
そう言われた瞬間、思わず目を見開いた。
(え、城田さんが?)