キミノ、テ。
店内は、外から見るよりもなかなか小綺麗で、
可愛らしい花が所々花瓶に飾られ、
日差しが差し込むと、まるでお花畑で
お茶をしているような気分になるほど、明るい印象を受けた。
カップや食器などにもこだわりがひとつひとつあるようだ。
あまり見たことのないデザインで、
変わってはいるが、なかなか品がある。
そんなことを思いながらコーヒーを啜っていると、
彼女が近くへ歩いてきた。
「よかったら、これどうぞ。」
差し出されたのは、小さな丸い形のショートケーキだった。
なにも言わずに彼女を見返すと、すぐに彼女は答えた。
「うちで作っているケーキです、けどなかなかお茶時にお客様来ないんですよ。もったいないからサービスです。食べてください。」
甘いものは得意ではないのだが、いただきます。と、
ケーキを食べることにした。
そんな僕を見て、彼女は嬉しそうに、
食べ終わるまで僕を眺めて座っていた。