キミノ、テ。
日下の仕事は、パチンコ店での従業員だ。
元々ギャンブルとは縁のなかった日下だが、
このご時世、大学を出たところで、
これといって、特別人よりすぐれたものでもなければ、
就職先などなかなかない。
何社も受けて、最終的にはとりあえずの生活のために
求人誌でたまたま見つけたパチンコ店へ面接を受けたのだ。
そんな生半可に受けてみた仕事だったが、
採用され勤めだして、月日はかなり経っていた。
毎日同じような人が打ちに来ては、
お金を捨てたことに怒りながら帰っていく。
その日は勝てたのか、喜びながら帰っていく。
日下はそんな人を見ながらいつも思うのだった。
ギャンブルする奴は、結局病気だな。 と。
夕方16時30分、早番の勤めが終わり日下は帰ろうとしていた。
更衣室の扉を開けると、アルバイトの女の子が立っていた。
「なんか用?」
女の子は、紙切れを渡すと、走って行った。